「もうひとつの脳」を読みました [科学、数学]
先月のNHKスペシャル「アインシュタイン 消えた“天才脳”を追え」という番組の中で、アインシュタインの脳を調べたら、ニューロンの数などは一般の人と変わらないものの、グリア細胞の数が多かったという話が出てきました。
グリア細胞って、こんなやつらしいです。
Neuroscience: Glia — more than just brain glue
Nicola J. Allen & Ben A. Barres
Nature volume 457, pages 675–677 (05 February 2009)
・アストロサイト (Astrocyte)
・オリゴデンドロサイト (Oligodendrocyte)
・ミクログリア (Microglia)
と、いう3種類がいるらしい。
とっても興味がわいてきたので、ブルーバックスの
もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」
著:R・ダグラス・フィールズ 監・訳:小西 史朗 訳:小松 佳代子
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000226703
を買って読みました。
この本すごいです。
・ブルーバックスなのに500ページ以上もある。
・ページ数が多くなりすぎて、参考文献や用語解説が収まらなくなって、ホームページからダウンロードするようになっている。
・参考文献のページが36ページもある。
参考文献 (PDF) をダウンロード
http://bluebacks.kodansha.co.jp/books/9784065020548/appendix/attachments/references.pdf
・用語解説が16ページもある。
用語解説(PDF)をダウンロード
http://bluebacks.kodansha.co.jp/books/9784065020548/appendix/attachments/glossary.pdf
量だけではなく、本の中身も、「訳者あとがき」にあるように
"活発な研究・思索活動を通してフィールズの到達した結論は、私たちの脳神経に関する理解を根底から揺るがすものだった。具体的には、これまで、あるいは今も神経科学の主役であり続けている「ニューロン中心主義」(つまり、脳の主役はニューロンである)という見解が、まったく不完全で、大きな変更を迫られており、実は「グリアがニューロンを制御する」という主客転倒、あるいはニューロン ー グリア両立主義とも呼ぶべきものであるというのだ。"
という驚きの内容です。
脳神経の研究は、1990年代に、共焦点レーザー顕微鏡というのを使用して、生きた脳細胞の働きを観察できるようになってから飛躍的に進んだそうです。
共焦点レーザ顕微鏡って…
OLYMPUSのサイトに写真と説明があったのですが、何故か英語
OLYMPUS
Introduction to Confocal Microscopy
https://www.olympus-lifescience.com/ja/microscope-resource/primer/techniques/confocal/confocalintro/
この本は、参考文献もすごいです。
個人的には、このNational Institutes of Healthの論文にはびっくり
White matter in learning, cognition and psychiatric disorders.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2486416/
白質を調べるとIQがわかるらしいです。
関連する最近の論文
Human white matter and knowledge representation
http://journals.plos.org/plosbiology/article/file?id=10.1371/journal.pbio.2005758&type=printable
エルキュール・ポアロの口癖に「私の灰色の小さな脳細胞が活動を始めた」というのがありますが、灰色だけじゃなくて白も活動しないと事件の謎は解けない?
グリア細胞って、こんなやつらしいです。
Neuroscience: Glia — more than just brain glue
Nicola J. Allen & Ben A. Barres
Nature volume 457, pages 675–677 (05 February 2009)
・アストロサイト (Astrocyte)
・オリゴデンドロサイト (Oligodendrocyte)
・ミクログリア (Microglia)
と、いう3種類がいるらしい。
とっても興味がわいてきたので、ブルーバックスの
もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」
著:R・ダグラス・フィールズ 監・訳:小西 史朗 訳:小松 佳代子
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000226703
を買って読みました。
この本すごいです。
・ブルーバックスなのに500ページ以上もある。
・ページ数が多くなりすぎて、参考文献や用語解説が収まらなくなって、ホームページからダウンロードするようになっている。
・参考文献のページが36ページもある。
参考文献 (PDF) をダウンロード
http://bluebacks.kodansha.co.jp/books/9784065020548/appendix/attachments/references.pdf
・用語解説が16ページもある。
用語解説(PDF)をダウンロード
http://bluebacks.kodansha.co.jp/books/9784065020548/appendix/attachments/glossary.pdf
量だけではなく、本の中身も、「訳者あとがき」にあるように
"活発な研究・思索活動を通してフィールズの到達した結論は、私たちの脳神経に関する理解を根底から揺るがすものだった。具体的には、これまで、あるいは今も神経科学の主役であり続けている「ニューロン中心主義」(つまり、脳の主役はニューロンである)という見解が、まったく不完全で、大きな変更を迫られており、実は「グリアがニューロンを制御する」という主客転倒、あるいはニューロン ー グリア両立主義とも呼ぶべきものであるというのだ。"
という驚きの内容です。
脳神経の研究は、1990年代に、共焦点レーザー顕微鏡というのを使用して、生きた脳細胞の働きを観察できるようになってから飛躍的に進んだそうです。
共焦点レーザ顕微鏡って…
OLYMPUSのサイトに写真と説明があったのですが、何故か英語
OLYMPUS
Introduction to Confocal Microscopy
https://www.olympus-lifescience.com/ja/microscope-resource/primer/techniques/confocal/confocalintro/
この本は、参考文献もすごいです。
個人的には、このNational Institutes of Healthの論文にはびっくり
White matter in learning, cognition and psychiatric disorders.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2486416/
白質を調べるとIQがわかるらしいです。
関連する最近の論文
Human white matter and knowledge representation
http://journals.plos.org/plosbiology/article/file?id=10.1371/journal.pbio.2005758&type=printable
エルキュール・ポアロの口癖に「私の灰色の小さな脳細胞が活動を始めた」というのがありますが、灰色だけじゃなくて白も活動しないと事件の謎は解けない?
もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」 (ブルーバックス)
- 作者: R・ダグラス・フィールズ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/04/18
- メディア: 新書
興味がわいてきました。
読んでみたいと思います。
by mayu (2018-08-31 20:40)
mayu さんコメントありがとうございます。
「もうひとつの脳」 1,500円 とは思えない、読み応えたっぷりの本でした。
顕微鏡とかMRIとかテクノロジー寄りの話題だけでなく、狂牛病やカリバリズム、母性とか心とか、とにかく話題が豊富で、驚くことばかりでした。
by aoken (2018-09-01 14:42)