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うみそらデッキに行きました。 [ヨコハマ]

横浜に健康診断に行った帰りに、(今更ですが)JR横浜タワーの「うみそらデッキ」に行きました。

空が広い

ビルの間から、横浜港が見えます。







久しぶりに都会に出て来たので、都会の大きな本屋さん(有隣堂です)に行ったら「抽象数学の手ざわり」という変わったタイトルの本があったので買ってみました。
岩波科学ライブラリー 抽象数学の手ざわり ピタゴラスの定理から圏論まで
https://www.iwanami.co.jp/book/b584810.html
抽象数学の手ざわり

まだ、0章(この本では自然数Nは、0から始まることにしている)の「ピタゴラスの定理から圏論まで」ぐらいしか読んでないのですが、「はじめに」には、こんなことが書いてあります。
「・・・20世紀に,物理学や生物学はそれぞれ量子力学や分子生物学の成立により,著しい変貌を遂げました.それとほぼ同時期に数学も抽象的な方向へ大きく転換しました.しかし高校までに学ぶ数学の大部分は,この転換期よりも前に完成したものです.そのため,数学でいまどんな対象について何を考えているのか,感覚がつかみにくくなっているように思います。
 この隔たりを埋めたいと思ってできたのがこの本です.・・・」

そうなんですよね... 高校まで数学(受験数学)が得意だったけど、「大学の数学、全然わからない、デデキント・カットって何だよ、キットカットと違うの?...」って思った人、けっこういるんじゃないかな?(私だけ?)
この本は、そんな人たちにお薦めだと思います。

最近、「そんなの何の役に立つの、社会に出て使わない」って言うの流行っているみたいで、この本に対しても、Amazonのレビューで、「数学者の自己満足、数学者よりエンジニアの方がよっぽど数学できる」みたいな「言いがかりのような謎レビュー」がありました。(今は消されてるようです。)

最近話題の三角関数は必要だけど、現代数学は役に立たないと言う人も多いようですが、量子力学や分子生物学などに限らず、工学の分野でも、たとえばAMやFMなどのアナログ放送(アナログ変調方式)であれば、三角関数やフーリエ解析などを使って設計や解析を行うと思いますが、携帯電話の5Gのデジタル通信で使われているPolar code(これってWikipediaでは英語や中国語の説明はあるのに日本語は無いんですね)やRSA暗号やオペレーションズ・リサーチで使われる整数計画法(Integer Programming)などは、高校までの数学(受験数学)の世界にはなかった数学が必要になります。
金融の分野でも、「ブラック・ショールズ・モデルで三角関数を使うぞ」っていうのネットで見ましたが、少なくともメガバンクや大手証券会社などのセルサイドの実務では、10年以上前からブラック・ショールズ・モデルは使っていないはずです。(今どき使っていたら外資にカモられます)

高校までの数学(受験数学)と、現代の科学や工学(量子力学や分子生物学やICTなど)に必要な数学とのギャップをうまく埋めることができていないことが、デジタル化や先端技術分野で日本が世界から取り残されている原因の一つかもしれないですね。



抽象数学の手ざわり: ピタゴラスの定理から圏論まで (岩波科学ライブラリー 305)

抽象数学の手ざわり: ピタゴラスの定理から圏論まで (岩波科学ライブラリー 305)

  • 作者: 斎藤 毅
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2021/07/20
  • メディア: 単行本



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