国立天文台 [科学、数学]
国立天文台は、受付で記帳するだけで大赤道儀室などの公開施設を見学することができます。
敷地内には、大正時代に建てられた施設もいくつか残っていて、今でも利用できるものもあります。
このあたりは、第二次大戦中は、近くに調布飛行場や中島飛行機三鷹研究所、深大寺の高射砲などの軍事施設が沢山あって、攻撃の対象になったと思うのですが、よく残っていたと思います。(本館は昭和20年2月8日の空襲で焼失してしまったそうです。)
受付でワッペンとパンフレットをもらって、最初に展示室に行ってみました。
ここには、すばる望遠鏡や野辺山の電波望遠鏡の模型などが置かれていて、学校の教材室のような雰囲気のところでした。
次に三鷹の国立天文台の中で最も古い、第一赤道儀室を見ました。
第一赤道儀室の建物は、大正10年に建設され、中にはカール・ツアイス製の口径20cm屈折式望遠鏡(望遠鏡は1927年製)が収納されています。
建物の中から見るとドームは木で作られていることがわかります。
スリットの開閉やドームの回転もドームの中にある大きなハンドルを手で回して行うようです。
この望遠鏡は、今でも年に数回太陽像の公開が行われていて、今年は
5月3~7日、8月1~7日、10月28日、11月3日にあるそうです。
80年も前の望遠鏡が今でも使えるというのは、驚きです。
赤道儀は、速度調整機構付重錘式時計駆動赤道儀というものらしいのですが、重力で赤道儀を動かすというシンプルな機構が長持ちしている秘密なのでしょうか。
第一赤道儀室の裏手には、7世紀頃に作られたと思われる高塚古墳(天文台構内古墳)があります。
キトラ古墳のように星宿図なんかがあったりしたらすごいのですが、中を見ることはできません。
公開施設のなかには、「太陽分光写真儀室」というちょっと変わった施設もあります。
昭和5年に完成した地上5階地下1階の建物で、スターウォーズに出てくるR2D2を箱詰めしたような形をしてますが、建物全体が望遠鏡になっているそうです。
この施設は、ドイツのポツダム天文台にあるアインシュタイン塔と同じ構造と機能をもっていますが、1968年に役目を岡山天体物理研究所のクーデ式太陽望遠鏡に引き継いだということで、いまは森の中にひっそりと建っています。(内部の見学もできません)
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