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和時計 [科学、数学]

国立科学博物館には、和時計も沢山展示されています。

二挺天符(にちょうてんぷ)式の櫓時計


節割式尺時計
P1080060.JPG





和時計は季節によって変化する昼と夜をそれぞれ6等分した不定時法を用いるための機構を持つ世界でも珍しい時計です。

angel sundial chartres replica original in crypt1528.jpg
ヨーロッパでは、機械式時計が発明されるたことで、不定時法から定時法に変わっていった(参考:セイコーミュージアム 機械式時計がもたらしたもの https://museum.seiko.co.jp/knowledge/relation_03/)のに、日本では、季節によって時間の間隔を変化させる、複雑で精密な時計が進化したのは、とても興味深いことだと思います。

万年自鳴鐘(まんねんじめいしょう、萬歳自鳴鐘)

(参考:万年時計の機構解明 https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2005/07/60_07pdf/a0501.pdf )


不定時法は、農業中心の社会や、移動の少ない社会では、不便がないと思いますが、外洋の航海で、自分の位置を知りたいときに、定時法のように基準になる時刻がないと経度が測れない問題があります。
日本で、定時法が採用されたのは、明治6年だそうです。
では、江戸時代に伊能忠敬は、どうやって経度を測っていたのだろうと、不思議に思っていましたが、天体観測には、普段の生活で使う時計とは別に、垂揺球儀という精度の高い振り子時計が使われていたそうです。

伊能忠敬記念館 垂揺球儀・忠誨使用
http://www.city.katori.lg.jp/sightseeing/museum/document/id28.html

暦Wiki 垂揺球儀
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/BFE2CDC9B5E5B5B7.html

定時法が日本では明治時代まで採用されなかったのは、科学技術が遅れていて正確な時計が無かったから、ではなく、農業中心の社会で、鎖国もしていて外洋に出ることもなかったので、日の出と日没を基準とした不定時法の方が便利だったからかな?

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